中小企業診断士の養成課程が気になるけれど、「本当に養成課程から資格登録ができるの?大卒や院卒じゃないと受験できないのでは?」と悩んでいませんか?
養成過程に入学しても、スキルが身に付かないまま終わってしまっては意味が無いですし、そもそも養成課程と二次試験のどちらを選べばいいのか…
目標への道のりは、なにかと不安が尽きないですよね。
まずはご安心ください。
養成課程で中小企業診断士の資格登録を目指せます。
そして、養成課程の受験に学歴は不問。
充実したカリキュラムが用意されていますし、二次試験に劣らない魅力もあります。
とはいえ、ただざっくりと結論を聞いただけでは「本当に?」と不安に思ってしまいますよね。
そこで、この記事では
- 養成課程と資格登録までの流れ
- 養成課程の特徴や二次試験との違い
- 養成課程を実施する全13校の費用と期間
- 養成課程を受験する前に知っておきたい受験の流れや学歴のこと
についてお伝えしていきます!
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中小企業診断士の養成課程で本当に資格登録できるのか?
結論からお伝えすると、中小企業診断士の一次試験合格後に養成課程を修了すれば、中小企業診断士の資格登録が可能です。
養成課程の修了後に登録申請を行うことで、「中小企業診断士登録証」が交付されます。
近年、この養成課程を修了してから中小企業診断士の資格登録を目指す人が増加傾向にあります。
昔は二次試験で不合格となった人が入学するもの、というネガティブなイメージもありましたが、今では二次試験を免除する手段として、一次試験合格後すぐに養成課程を選ぶケースも珍しくありません。
そもそも養成課程とは
養成課程とは、中小企業診断士一次試験の合格者が受講する演習と実習を軸としたカリキュラムです。
このカリキュラムを修了することで、資格登録の権利が得られます。
中小企業診断士の資格登録には2種類の方法があります。
中小企業診断協会が実施する一次試験の合格後、次のいずれかを満たすことで資格登録が可能です。
- 中小企業診断士二次試験合格後、15日以上の実務補習または実務従事
- 養成課程または登録養成課程の修了
実際に、tweetでも養成課程でも試験突破でもとつぶやかれている方がいますね。
企業内診断士の場合は別だけど、独立志向あるならまず土俵に立たないとなので自力突破・養成課程どちらでも良いと思ってます。問題はなった後ですし出来る業務はこれまでのキャリアに紐づくので、どうやって資格取ったかは全く関係なさそう。という1年目の感想
— 地方@中小企業診断士 (@rmconsultant1) July 5, 2022
「養成課程と登録養成課程って何が違うの?」と疑問に思うかもしれませんが、その違いはズバリ実施機関です。
- 中小企業基盤整備機構が運営する中小企業大学校が実施する「養成課程」
- その他登録養成機関である民間教育機関が実施する「登録養成課程」
運営元の違いはありますが、学べるカリキュラムには大きな差はありません。
中小企業大学校東京校の様子がわかるyoutube動画がありましたので、参考に貼っておきます。
平成17年8月に公布された経済産業省令第79号により、従来より開講されていた養成課程のほか、基準を満たした民間研修機関等が経済産業省への登録を経て、登録養成課程を開校できるようになりました。
登録養成課程は、一定の基準を満たすことが認定された上で実施されているものですから、安心ですね。
以降、本記事では養成課程と登録養成課程の総称として、養成課程という表現を使用します。
養成課程のカリキュラムの内容、期間は?
養成課程のカリキュラムとは、具体的にどのようなものでしょうか。
中小企業大学校のカリキュラムを例に見ていきましょう。
中小企業大学校のカリキュラムは大きく以下の2つから構成されています。
経営診断Ⅰ | 企業の個別経営課題に対する診断・助言能力の習得 |
経営診断Ⅱ | 全社的視点に立った経営課題に対する診断・助言の実務能力の習得 |
期間は経営診断Ⅰ、経営診断Ⅱともに各3ヶ月間ずつ、合計で6ヶ月間です。
内容としては、経営診断Ⅰ、経営診断Ⅱともに演習と実習による構成です。
また、経営診断Ⅰ、Ⅱに含まれる全5回の企業での診断実習を通して、プロの中小企業診断士と同じ手順で実践的なスキルを磨きます。
その他の登録機関についても、演習と実習を基盤としたカリキュラムが用意されています。
また、カリキュラムの開講時間が土日もしくは平日夜間に配置されている機関もあります。
働きながら養成課程の修了を目指す際は、開講時間を確認した上で、養成課程の受験先を選ぶと良いでしょう。
養成課程と二次試験との違いは?
実際に資格登録を目指すにあたって、「二次試験と養成課程のどちらを選べばいいんだろう…」と迷いますよね。
そもそも二次試験と養成課程とでは何が違うのでしょうか。
ここでは、二次試験と養成課程の違いについて解説していきます。
まず、二次試験は合格後に15日間の実務補習または実務従事を行う必要があります。
二次試験に合格するだけでは、資格登録は出来ません。
一方で、養成課程ではカリキュラム内に実務補習にあたる科目が含まれているので、修了後に改めて補習を行うことはありません。
カリキュラムの修了という条件を満たせば、資格登録が可能です。
二次試験後に実施される実務補習が15日間なのに対し、養成課程のカリキュラムには比較的長期間の実習が組み込まれています。
養成課程の履修期間は実施機関によって異なりますが、半年から2年間です。
つまり、拘束時間の短さでは、二次試験合格後に実務補習を受けるほうが有利と言えます。
一方、実践的なスキルを身につけるチャンスは、より長期間の実習を行う養成課程の方が多いのではないでしょうか。
また、費用に関しても違いがあります。
養成課程の費用は約170万〜380万と、充実したカリキュラムを学べるだけあって安くはありません。
一方、中小企業診断協会の公式ホームページによると、二次試験の受験手数料は17,800円。
参考書の購入や通信講座の費用を加算しても、二次試験を一度受験する方が支払う金額は少なく済みます。
その他、実習を通して作れる人脈にも違いがあります。
二次試験後の実務補習でも同期間の人脈形成は可能ですが、養成課程では同期だけでなく指導員とも深く関わることができます。
資格登録後に養成課程時代の指導員から仕事をいただく機会も多く、傾向として資格登録後に早い段階での独立を目指しやすいです。
このように、二次試験と養成課程にはそれぞれ特徴があります。
では結局どちらがおすすめなのでしょうか。
養成課程と二次試験はどちらがオススメ?
大前提として、養成課程と二次試験では特徴が異なるため、一概にすべての人に対してどちらがいいとは言い切れません。
それぞれの特徴を考慮して、より自分に合う方法を選ぶといいでしょう。
養成課程と二次試験はそれぞれどんな人にオススメと言えるのでしょうか。
下記に、例をまとめてみました。
養成課程がオススメな人
- 出費は覚悟の上でじっくりと長期間実践的に学び、資格登録をしたい人
- 資格登録後、早期の独立を目指す人
- カリキュラムの開講時間とスケジュールが合う人
二次試験がオススメな人
- 短い拘束時間で資格登録を目指す人
- 資格登録までの費用を抑えたい人
- 養成課程の実施校が自宅や職場の近くにない人
あなたが資格登録を目指す上で大切にしているものはなんでしょうか。
費用、実践、時間…いろいろな考え方や事情、目標があると思います。
ぜひ上記を参考にあなたに合う方法を探してみてくださいね。
養成過程はどこで受けられる?
いざ、養成課程を受講するならどこで受けられるのでしょうか。
ここでは、全13校の実施機関と費用についてまとめてみました。
その他、受験に関する情報についても解説していきますので、養成課程を検討中の方は必見です!
全13校の実施機関
養成課程を実施している機関を表にまとめました。
おおよその費用とカリキュラムの期間についても記載しているので、参考にしてみてください。
実施機関名 | 費用 | 期間 |
中小企業大学校 | 約230万円 | 6ヶ月 |
法政大学 | 約260万円 | 1年 |
公益財団法人 日本生産性本部 | 約260万円 | 6ヶ月 |
名古屋商科大学 | 約350万円 | 2年 |
株式会社日本マンパワー | 約250万円 | 1年 |
一般社団法人 中部産業連盟 | 約220万円 | 1年 |
東洋大学 | 約260万円 | 2年 |
一般社団法人
福岡県中小企業診断士協会 |
約220万円 | 1年 |
日本工業大学 | 約230万円 | 1年 |
千葉学園(千葉商科大学) | 約250万円 | 2年 |
札幌商工会議所 | 約200万円 | 6ヶ月 |
城西国際大学 | 約180万円 | 2年 |
兵庫県立大学 | 約180万円 | 2年 |
費用は変更になる場合があります。
また、実施機関についても今後増えることや、今ある機関が新規募集を停止する可能性も考えられます。
詳細が気になる方は、各機関のホームページを確認してみましょう。
制度を活用して学費の負担を減そう
改めて費用に注目してみると、「養成課程の学費ってこんなに高いの!?」と受講をためらう方もいるかもしれません。
資格登録のためとはいえ、経済的な不安を感じながら学んでいくのはなかなか辛いですよね。
そこで、あなたを助けてくれるのが「教育訓練給付金制度」です。
「教育訓練給付金制度」とは、働く方の主体的なスキルアップやキャリア形成への取り組みを国が支援する制度。
雇用の安定と再就職の促進を図る目的で作られました。
雇用保険の加入期間など、要件を満たした上で厚生労働大臣が指定する講座を修了すると、その費用の一部が給付される仕組みです。
「教育訓練給付金制度」を利用出来るのは以下の機関です。
- 法政大学
- 株式会社日本マンパワー
- 名古屋商科大学ビジネススクール
- 東洋大学
- 千葉商科大学
- 札幌商工会議所
- 城西国日本工業大学際大学
養成課程を受講したいけれど費用は不安、という方は制度の活用も検討してみてはいかがでしょうか。
気になる補助金額ですが、教育訓練経費の50%もしくは1年あたりに40万円です。1つの訓練の最大期間は3年に設定されていますので、制度としては最大120万円まで補助されます。
中小企業診断士の養成講座は、カリキュラムが6か月から2年になっていますので、40万円~80万円と大きな補助が得られます。
受験形式や用意すべきものは?
実際の受験形式や揃えるべき書類は事前に知っておきたいですよね。
ただ、選考期間や必要書類、受験方法といった募集要項は機関により異なります。
同じ機関であっても受験年度によって変更となる場合もありますので、必ずご自身で対象期間を確認しましょう。
ここでは受験形式と提出書類の例を紹介していきます。
養成課程の受験で課される選考例
- 書面審査
- 面接審査
- 筆記試験
提出を求められる書類例
- 受験申込書
- 履歴書
- 志望理由書
- 健康診断書
- 小論文など、その他課題文
機関ごとに受験希望者向けに説明会を開催しており、中には参加者に願書の配布を行うケースもあります。
受験を希望する際は、その機関の説明会に参加し、受験要項とスケジュールを詳しく知るところから始めましょう。
また、養成課程の合格率についても気になる所だと思いますが、一般には公開されていません。
唯一養成課程の合格率を確認する方法は説明会に参加することなので、その点も含めて確認をしたい方は参加を検討してください。
養成課程の受験に学歴は必要?
「大学や大学院を卒要していない自分でも、養成課程を受験できるの?」
そんな不安を抱えているかと思います。
ご安心ください、一次試験・養成課程共に受験資格として学歴は定められていません。
養成課程は四年制大学や大学院を卒業していなくても、学歴に関わらず受験可能です。
学歴で養成課程の受験を諦める必要はありません!
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まとめ
さて、この記事では以下についてお伝えしてきました。
- 中小企業診断士の養成課程を修了後に申請することで、資格登録が可能
- 二次試験と養成課程、自分に合う方法で資格登録が目指せる
- 養成課程では、6ヶ月から2年間のカリキュラムで実践的なスキルを磨ける
- 土日や平日夜間の開講で、働きながら通いやすい機関もある
- 実施機関によっては「教育訓練給付金制度」によって費用負担を軽減できる
- 養成課程の受験は学歴不問
中小企業診断士の養成課程について、一層興味を持っていただけたのではないでしょうか。
特に、学歴で資格登録を諦めなくてもいいのは嬉しいポイントですよね。
あなたのライフスタイルと相談しながら、自分に合う資格登録への道を探してみてくださいね。
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