問い合わせフォーム営業とは?効果ある?メリット・デメリットをまとめ

中小企業診断士と営業方法

インターネット検索が当たり前の今、多くの企業が自社のホームページを開設しています。

そのホームページのコンテンツのひとつである「問い合わせ」を、新規顧客獲得の入口として利用した営業手法「問い合わせフォーム営業」を、オンラインでできるアプローチとして取り入れる企業が増えています。

問い合わせフォーム営業は、営業手法として効果的なのでしょうか。

そのメリットとデメリットを踏まえ、気になる実際の効果について解説します。

問い合わせフォーム営業とは

問い合わせフォーム営業の概要やメール営業との違いについて解説します。

問い合わせ営業フォームとは

問い合わせフォーム営業とは、企業のホームページに設置されている「問い合わせフォーム」からアプローチする営業手法のことです。

企業によっては「製品の不具合」「カスタマーサポート」というように、問い合わせの内容によってフォームを数種類設けていることがあります。

問い合わせの対応部署によっては、見当違いの内容として廃棄されてしまう可能性があるので、営業手法としてアプローチする場合は会社の「総合窓口」の問い合わせフォームを使うようにしましょう。

メール営業と何が違う?

では、問い合わせフォーム営業は、メール営業と何が違うのでしょうか。

メール営業は、すでにメールアドレスを取得している見込み顧客に対して、メールでアプローチする営業手法で、お役立ち情報や新商品やサービスの案内、イベントやキャンペーンのお知らせを送り、送信先のリアクションからその後の商談につなげていきます。

問い合わせフォーム営業との違いは、「すでに面識がある」「名刺交換をしたことがある」など、過去に何らかの接点があり、情報を取得している顧客へのアプローチであることです。

メール業務を効率的に行うために導入される、オンプレミス型のメール配信ソフトや、外部のメール配信サービスを利用した営業メールの一斉送信も、このメール営業にあたります。

問い合わせフォーム営業の仕組み

一般的に、ホームページの問い合わせフォームで送信されたメッセージは送信先の企業の担当者により、その内容に該当する社内の部署や担当者に振り分けられます。

この流れを新規顧客へのアプローチとして利用したのが、問い合わせフォーム営業です。

営業マンにとって精神的に負担が大きい飛び込み営業やテレアポに変わり、非対面で取り組みやすい新規開拓の営業手法として認知され、新型コロナの影響も手伝って、取り入れる企業が増えています。

問い合わせフォーム営業のメリット・デメリット

問い合わせフォーム営業の概要を踏まえ、メリットとデメリットについて見ていきましょう。

問い合わせフォーム営業のメリット

問い合わせフォーム営業の代表的なメリットは、以下の3点です。

1.高い「閲覧率」

問い合わせフォーム営業のメリットのひとつが「閲覧率の高さ」です。

ホームページの「問い合わせ」は、その企業の大事な既存顧客や見込み顧客が利用することを目的として設置されていますので、送られてきたメッセージの内容を確認しないことは、まずあり得ません。

メール営業で送信するメールの多くは、開封されることなく削除されてしまうケースがほとんどです。

それに比べると、問い合わせフォーム営業は高確率で開封され、その内容を閲覧されるというメリットがあります。

2.決裁権者へのダイレクトアプローチ

中小企業や個人商店などでは、問い合わせフォームからのメッセージを、社長や店主など決裁権を持つ人がチェックすることが多く、自社の商品やサービスを商談のキーマンにダイレクトにPRできます。

問い合わせフォームの特性ならではのメリットだといえます。

3.連絡先が分からない見込み顧客へのアプローチ

メール営業は、対象となる担当者のメールアドレスが分からないとメールを送信することができません。しかし問い合わせフォーム営業は、連絡先が分からない見込み顧客にもアプローチできます。

また、前述のとおり、問い合わせフォームからのメッセージは、送信先での開封率や閲覧率が高いだけでなく、その内容に合わせて送信先の担当者が振り分けを行い、該当部署や担当者に届けてくれます。

飛び込み営業やメール営業に比べて、労力をかけることなく、届けたいターゲットにピンポイントでアプローチできるのです。

問い合わせフォーム営業のデメリット

問い合わせフォーム営業の代表的なデメリットは、以下の3点です。

1.クレームになる可能性

ホームページの「問い合わせ」を営業行為として利用されることを警戒し、サイトポリシーや問い合わせフォームの冒頭に「営業お断り」を掲げている企業も増えてきています。

その注意書きを見落として、問い合わせフォームから営業のアプローチをしてしまうと、クレームにつながる可能性があります。

また、最近はホームページへのアクセス等を解析している企業がたくさんあります。

営業行為としてホームページ「問い合わせ」を利用することは、送信先にとっては、そのアクセスデータに影響を及ぼす「迷惑行為」に他なりません。

2,送信作業の手間と人為的ミス

メール営業の場合、メーリングリストを利用すれば、一度文章を作成すれば、同じ文面を一斉送信することができます。

しかし、問い合わせフォーム営業は、名前や電話番号、メールアドレスなどの必要項目と、セールスメールを各ホームページの問い合わせフォームに合わせて、一件ずつ入力していく必要があります。

その過程では、入力ミスなどの人為的ミスが発生する可能性が多分にあります。

メール営業と比べて手間と時間がかかること、人為的ミスが起こりやすいことを十分に理解しておきましょう。

近年はこれらの入力をも自動化できるサービスが展開されていますが、無差別に送信することになるためリスクが大きいことは十分理解しておくことが必要です。

3.高度なライティングスキルの必要性

前で触れたとおり、メール営業の場合は、これまで過去に何かしらの接点があった見込み顧客へのアプローチであるため、見込み顧客側が自社の商品やサービスなどの情報を、すでに持っている場合がほとんどです。

一方、問い合わせフォーム営業は、これまでまったく接点の無かった、見ず知らずの相手に新規にアプローチすることになります。

高い閲覧率で内容を読んでもらえても、自社の商品やサービスに興味関心を持ってもらわなければ、成果がなかったといわざるを得ません。

つまり、文章だけで商品やサービスの魅力を伝え、こちらが取ってほしい次のアクションを促さなければならないのです。

成果を出すためには、高度なライティングスキルが必要不可欠であり、それはある意味デメリットであるといえるでしょう。

問い合わせフォーム営業は効果ある?

問い合わせフォーム営業のメリットとデメリットを解説してきました。

その効果について考えてみましょう。

1. 送信先のニーズ

労力をそれほどかけることなく、非対面で新規顧客に効率的にアプローチできるとする問い合わせフォーム営業は、新型コロナの影響もあり、認知度が一気に上がりました。

しかし、その内容は見ず知らずの相手への営業行為であり、飛び込み営業と意味合いは同じだといえます。

どれだけクオリティの高いセールスメールであっても、送信先にニーズが無ければ意味がありません。

問い合わせフォームにかかる手間や時間と、そこから得れられる成果を天秤にかけたとき、「効果がある」と果たして言い切れるのか、判断が分かれるところです。

2. 迷惑行為と紙一重

問い合わせフォーム営業のメリットとデメリットで解説しましたが、高い閲覧率でターゲットにピンポイントでアプローチできる半面、クレームにつながる可能性があることは、営業行為として果たして適切なのか、慎重に考えましょう。

定期的に問い合わせフォーム営業をすれば、人によっては「しつこい営業」と判断され、見込み顧客のホームページのアクセス解析データに、悪影響を及ぼす迷惑行為と捉えられます。

大切な見込み顧客の心象を悪くしてまで、実施するべき営業行為なのか、慎重な判断が求められます。

3.「問い合わせフォーム」の目的

ホームページに設置されている問い合わせフォームは、既存顧客や新規の見込み客と企業の大事な接点です。

自社の商品やサービスに関するさまざまな情報を得たり、新しい引き合いを受けたりすることを目的としています。

これらの目的を無視した営業行為であることを、理解しておきましょう。

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まとめ

問い合わせフォーム営業は、閲覧率が高く、効率的で効果的な営業行為ではありますが、送信先の企業にとっては、迷惑行為と捉えられクレームにつながる可能性があります。

問い合わせフォームの本来の目的から外れている行為であり、見込み顧客の心象を悪くしてしまうリスクがあります。

問い合わせフォーム営業を実施するかどうかは、慎重に判断しましょう。

実施する際も、やみくもに問い合わせフォーム営業を仕掛けるのではなく、送信先に配慮した細やかな設定や対応を十二分に検討しましょう。

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