中小企業診断士試験の勉強時間はどれぐらいかかるのか、どのように勉強すれば効率的か、年齢や経験は関係ないのか、国家資格だからこそ気になりますよね。
中小企業診断士の資格は経営コンサルタントだけでなく、幅広い知識を活かして様々な業界で役立つものとなっています。
中小企業診断士の試験は一次試験と二次試験があり、今回はその中小企業診断士一次試験合格のための勉強時間の配分や順序、試験内容について徹底的に解説していきます。
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中小企業診断士一次試験合格のための勉強時間はどれくらい?
中小企業診断士の一次試験に合格するためには、どの程度の勉強時間が必要なのでしょうか?
中小企業診断士合格のために必要な勉強時間はおよそ1,000時間
難関といわれている中小企業診断士の試験はすべての試験に合格するためには、およそ1,000時間が必要とされています。
まず中小企業診断士の試験と試験方法について概要をお伝えします。
試 験 | 試験方法 |
一次試験 | マークシート |
二次試験
|
筆記試験 |
口述試験 | |
実務補習または診断実務 |
中小企業診断士試験は一次試験から実務まで4つの試験を合格することで取得できます。
このうちの二次試験までの勉強時間がおよそ1,000時間といわれています。
勉強時間1,000時間のうち、中小企業診断士試験の一次試験に必要な勉強時間はおよそ800時間になります。
勉強時間のそのほとんどが一次試験に使われるため、中小企業診断士の一次試験がどれほど重要ですべての合格を並行して学習するのが難しいかおわかりいただけるでしょう。
中小企業診断士一次試験は全部で7科目
中小企業診断士の一次試験は7科目に分かれているため、それぞれの目安勉強時間を確認します。
一次試験科目の内容とそれぞれの勉強時間は?
では中小企業診断士試験の一次試験の勉強時間がなぜ800時間も必要なのか。
それは実は中小企業診断士試験の一次試験では7つもの科目をクリアしないといけないからです。
そして7科目の中でも重要度が高いものとそうでないものがあります。
中小企業診断士試験の一次試験の勉強をするのならまずその7科目を知り、どの科目に時間をかけるべきかを知る必要があります。
中小企業診断士試験の一次試験での7科目と勉強時間の参考を以下にまとめてみました。
この時間は目安で、実際には得意不得意や事前知識の有無によって変動がありますので、一つの目安として捉えてください。
科 目 | 時 間 |
財務・会計 | 220時間 |
経済学・経済政策 | 180時間 |
企業経営理論 | 140時間 |
経営法務 | 140時間 |
経営情報システム | 120時間 |
運営管理 | 120時間 |
中小企業経営・政策 | 80時間 |
中小企業診断士試験の一次試験の勉強を始めるには、順番も大切で企業経営理論を最初に取り組むとよいでしょう。それ以降の勉強する順番は後述します。
一次試験7科目の難易度は?
中小企業診断士試験の一次試験7科目において、それぞれ難易度が違います。
また、二次試験との関連性がある科目もあり、そういったことも理解しながら勉強をすすめるとよいでしょう。
参考までに科目ごとの難易度と二次試験との関連性を表にまとめてみました。
科 目 | 時 間 | 二次試験との関連性 |
財務・会計 | 難 | 相当深い/合格への最大のカギ |
経済学・経済政策 | 難 | なし |
企業経営理論 | 普 | 深い |
経営法務 | 普 | 薄い |
経営情報システム | 普 | 一部関連 |
運営管理 | 易 | 深い |
中小企業経営・政策 | 易 | 薄い |
この中で経済学・経済政策は中小企業診断士試験の二次試験では使いませんが、内容を理解できると高得点を狙いやすい傾向にあります。
また、経営法務と経営情報システムにおいては普通としましたが、年度によって急に難易度があがったりするので、それを踏まえた準備が必要といえます。
こちらも事前知識の有無によって難易度は変わりますので、目安の一つとしてください。
中小企業診断士の一次試験に合格するための勉強法
ここからは、一次試験に合格するためにおすすめの勉強法を紹介します。
効率的な勉強の順番
これまで中小企業診断士試験の一次試験の勉強時間や難易度について解説をしました。
しかし科目数が多いので、どの科目から勉強するのがいいのか迷いますよね。
ここでは中小企業診断士試験一次試験の7科目における優先順位とその理由についてお伝えします。
まずは優先順位について、おすすめは以下の通りとなります。
- 企業経営理論
- 運営管理
- 財務・会計
- 経済学・経済政策
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・政策
中小企業診断士試験の勉強をする上で企業経営理論が最重要科目であり、一次試験・二次試験ともに共通しているのでまずはここをしっかりと理解を深めていきましょう。
次に運営管理、財務・会計のどちらも理解することが大切ではありますが運営管理は財務・会計ほど苦手な人が多くありませんので、先に勉強して合格レベルに到達するのがおすすめです。
経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策のこれら3つの科目はいずれも暗記の科目となりますので、なるべく後半にまわして集中して覚えていきたいものです。
一次試験には科目合格制度がある
中小企業診断士の一次試験には7科目あり、多岐にわたりますがすべてを一度に合格しないといけないわけではありません。
中小企業診断士の一次試験には科目合格制度というものがあります。
もともと中小企業診断士の一次試験の合格基準は
総点数の60%以上であり、かつ1科目でも満点の40%未満のないこと
となっています。
例えば、7科目すべての満点が100点だったとします。
この場合、総合計が700点でその60%の420点が合格基準になります。7科目受験し、すべての得点の合計が420点以上であっても1つでも40点を下回る科目があると合格できないのです。
しかしながら、得点の合計が合格基準でも合格基準未満であっても、いずれかの科目で合格基準の60%の60点以上を満たしていればその科目は科目合格、ということになります。
科目合格すると、その科目においては2年間の免除を受けることができます。
ここでこの科目合格制度はとてもいいように思えますが実はデメリットもあります。
それは合格できなかった科目は苦手科目である、ということです。
得点の総合計が合格基準は満たさなかったとしてもどの科目にも40点未満がなかった場合、得意科目の得点をさらに伸ばして総合計の得点を上げる方が得策なこともあります。
もし、科目合格制度を使って5科目免除にしたとして、翌年は2科目で済みますが合格基準が120点となります。
ということは苦手な2科目の平均点で60点以上得点しないといけなくなるのです。
また、年度によっては難易度が急変する科目もありますのでそれにあたってしまうと合格は難しいでしょう。
そのためこの制度を利用する場合には得意科目はあえて受験するなどして総得点の底上げをするなど、どの科目を受験するかしっかり考えた方がよいでしょう。
通信講座と独学どちらがいいのか
さて中小企業診断士試験は難易度が高く時間がかかるため、勉強は戦略的に挑みたいですよね。
そうなると独学で勉強するか通信講座で勉強していくかが悩みどころです。
今はテキストもかなりいいものが出ていますが、効率を考えると通信講座の方が計画や対策を立てやすいです。
通信講座の口コミや、料金などを比較して最適な勉強方法を選べるといいですね。
中小企業診断士一次試験の合格には有利な資格や経歴がある
中小企業診断士試験を受ける方の中には豊富な経歴や資格をお持ちの方がいるでしょう。
中小企業診断士の一次試験を受けるにあたり科目合格制度の他に保有資格により受験を免除される科目免除制度があります。
一次試験の勉強時間に大きく影響しますので、確認しておきましょう。
科目により免除される資格については以下の通りです。
【経済学・経済政策】
▶経済学博士
▶大学等の経済教授/准教授・旧助教授(通算3年以上)
▶公認会計士試験/旧公認会計士試験第2次試験で経済学を合格した者
▶不動産鑑定士/不動産鑑定士試験合格者/不動産鑑定士補
【財務・会計】
▶公認会計士/公認会計士試験合格者
▶会計士補/会計士補となる有資格者
▶税理士/税理士試験合格者/税理士試験免除者
▶弁護士または弁護士となる資格を有する者
【経営法務】
▶弁護士/司法試験合格者/旧司法試験第2次試験合格者
【経営情報システム】
▶技術士・情報工学部門に係る技術士となる資格を有する者
▶情報処理技術者試験合格者(アプリケーションエンジニア、システムアナリスト、 プロジェクトマネージャ、システム監査、ソフトウェア開発、第1種、情報処理システム監査、特種)
これらの資格を有する方は有利ではりますが、逆に得意科目とも言えますから、科目合格制度のところでもお話したように免除にするかどうかは慎重に選んだ方がよいでしょう。
また、経歴によっては非常に有利に試験勉強をすすめることができます。
経理・財務担当
経理や財務担当などの経験がある方は財務・会計の科目において有利になります。
経理や財務担当で経験してきた日常が財務・会計の科目の内容となっています。
また日商簿記検定2級程度の知識がある方も有利です。
経理などを経験していた方はそういった資格をお持ちの方も多数おられるでしょうから財務・会計の科目は理解しやすくなります。
IT関係
IT関係の経験がある方は経営情報システムの科目の理解が早いでしょう。
またITパスポートの資格や勉強をした方にとっても理解しやすいです。
経営情報システムでは、情報通信技術や経営情報管理など大きく二つの内容に分けることができます。
情報通信技術では主にソフトやプログラム言語など幅広く、経営情報管理では情報システムの開発から運用、活用など学習します。
これらのことに普段から触れているIT関係の経験がある方にとっては非常にイメージしやすいでしょう。
法務部・法務担当
法務部や法務担当を経験していた方は経営法務の科目が大変身近になります。
経営法務の科目には法律についての難しい言葉や言い回しが含まれます。
法務関連の言葉に普段から慣れていない人にとっては苦手科目になり得るのです。
そのため法務部や法務担当の方にとっては普段から親しんでいる言葉であるため理解が深まりやすいのです。
ビジネス実務法務検定2級をお持ちの方や同程度の学習をされた方にも有利でしょう。
生産技術、ロジスティクス関係
生産技術やロジスティクス関係の経験がある方には運営管理の科目が強みになるでしょう。
運営管理の科目は生産管理と店舗販売管理の2つに分けられ、生産管理は工場におけるオペレーション管理に関連する知識を、店舗販売管理は卸や小売りなどの店舗運営と販売業務に関した知識を扱っていきます。
生産技術やロジスティクス関係の経験がある方にとって製造業や流通業などにおける知識やイメージが活かされます。
さらに運営管理科目における店舗・販売管理はリテールマーケティング(販売士)2級の資格やその学習をされた方にとって理解しやすいでしょう。
経営企画・事業開発・人事・マーケティング
経営企画・事業開発・人事・マーケティングの経験がある方にとって企業経営理論の科目は有利です。
企業経営理論は経営戦略、組織論、マーケティングの3分野にわかれており、経営戦略は企業での戦略などについて、組織論では組織における構造や構造などについて、マーケティングでは製品・価格・物流・プロモーションの戦略と消費者の行動などについて学びます。
そのため、経営企画や事業開発を経験した方には経営戦略が、人事を経験した方には組織論が、マーケティングの経験がある方にはそのままマーケティングが理解しやすいでしょう。
中小企業診断士の試験日と試験料について
中小企業診断士試験の日程と試験料については以下の通りです。
一次試験日程 | 例年8月の第一週の土日(2日間) |
試験料 | 14,500円(令和4年度より変更) |
試験日については変更の可能性もあります。
また中小企業診断士の一次試験は2日間かけてあり、時間割については以下の通りです。
1日目
試験科目 | 時間割 | 試験時間 |
経済学・経済政策 | 9:50 ~10:50 | 60分 |
財務・会計 | 11:30 ~12:30 | 60分 |
企業経営理論 | 13:30 ~15:00 | 90分 |
運営管理(オペレーション・マネジメント) | 15:40 ~17:10 | 90分 |
2日目
試験科目 | 時間割 | 試験時間 |
経営法務 | 9:50 ~ 10:50 | 60分 |
経営情報システム | 11:30 ~ 12:30 | 60分 |
中小企業経営・中小企業政策 | 13:30 ~ 15:00 | 90分 |
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まとめ
中小企業診断士の一次試験について以下の内容を紹介しました。
- 勉強時間はおよそ800時間
- 一次試験は7科目ある
- 科目合格制度や科目免除制度がある
かなり多くの時間を必要としますし、科目数が多いため勉強の進め方が難しい試験です。
しっかりと戦略を立て、二次試験との関連も把握しながら取り組むことで、合格率を高められるでしょう。
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