中小企業診断士資格に興味を持っても、なかなか受験申込に踏み出せない方も多いのではないでしょうか?
- 中小企業診断士試験の申込方法が複雑でわからない…
- 中小企業診断士試験ってどのくらい難しいの?
- 中小企業診断士試験はどうやって勉強したらいいの?
このような疑問を持つ方も多いでしょう。
そこでこの記事では、中小企業診断士の試験情報について、受験の流れや試験の難易度、取得にかかる費用まで網羅的に解説します。
中小企業診断士試験を受けようか迷っている方は、ぜひ確認してくださいね。
中小企業診断士試験の日程
中小企業診断士試験は、1年に1回開催されます。
ギリギリにならないと試験日程が公開されず、令和6年度の日程はまだ公開されていません。
例年、一次試験は8月上旬、二次試験は10月下旬頃に開催される傾向にあります。
一次試験はマークシート形式で、7科目を2日間かけて受験します。
- 1日目:9:50〜17:10(4科目)
- 2日目:9:50〜15:00(3科目)
二次試験は記述式で4科目と、10分程度の口述試験が実施され、試験時間は9:40〜17:20です。
一次、二次試験とも長丁場となるため、体調管理を含めた準備が必要です。
令和6年度の試験日程予測をはじめとする詳しい内容は、以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひご確認ください。
【2024年】令和6年の中小企業診断士試験の試験日程はいつ?
中小企業診断士試験の受験申込方法
中小企業診断士試験の受験申込は、一次試験と二次試験それぞれで行う必要がある点に注意が必要です。
ネットでの申し込みはできず、郵送請求または窓口での受け取りによって、冊子の試験案内と受験申込書を入手します。
一次試験の合格者には、合格証書とともに二次試験の受験申込書が郵送で配布され、二次試験の申し込みができます。
例年の受験申込期間は以下の日程です。
- 一次試験:4月下旬または5月上旬〜5月末
- 二次試験:8月下旬〜9月中旬
詳細な日付は年度ごとに異なるため、「申込が間に合わなかった!」とならないように、前もって確認しておきましょう。
詳しい受験申込の流れや注意点などは、以下の記事でご確認ください。
中小企業診断士の受験申込方法は?願書の入手から受験まで徹底解説!
中小企業診断士試験の免除制度
中小企業診断士資格を取得するには、一次試験と二次試験に合格するだけでなく、実務要件(実務補習の修了または実務従事)をクリアする必要があります。
資格取得までの長い道のりを、少しでも短縮できたらうれしいですよね。
一次試験では、いくつかの科目免除制度があり、一定条件を満たす方は一部の科目が免除となります。
一次試験合格後は以下の2つのルートがあり、二次試験と実務補習を受けずに資格取得の条件を満たすことも可能です。
- 二次試験+実務補修
- 一次試験通過後に養成課程を修了
ただし、養成課程には研修期間が長いことや、費用がかかることなどのデメリットもあります。
科目免除制度や一次試験合格後のルートについては、以下の記事で解説していますのでご確認ください。
中小企業診断士試験の二次試験は免除になる?養成課程以外の条件は?
中小企業診断士の資格取得、維持費用
中小企業診断士資格には、資格取得準備や資格取得、資格維持などに費用が発生します。
試験に合格してから「こんなに費用がかかるとは思っていなかった」と後悔しないように、事前に把握しておきましょう。
中小企業診断士資格にかかる大まかな費用は以下のイメージです。
資格準備費用
- 独学:3〜5万円、通信講座:5万円〜、学校:10〜20万円位
資格取得費用
- 一次試験:12,000円
- 二次試験:17,200円
- 実務補習受講費用:148,600円
資格維持費用
- 中小企業診断士協会:入会費3〜7万円、年会費5万円位
- 理論更新研修:6,000円/回(協会加入の場合)
協会への加入は必須ではありませんが、理論更新研修が割安になるなどのメリットがあります。
また、取得までのルートや更新の方法によって各費用は変わってきます。
詳しい内容や費用を抑える方法などを、以下の記事でまとめていますのでぜひご確認ください。
中小企業診断士の資格取得、維持にかかる費用は?ケース別に解説
サラリーマンが中小企業診断士資格を取得するメリット
中小企業診断士の資格取得を目指す方のなかには、サラリーマンとして働いている方も多いでしょう。
中小企業診断士試験の受験勉強は、約1200時間必要だといわれており、働きながら勉強時間を確保することは容易ではありません。
しかし、サラリーマンが中小企業診断士を取得すると、以下のようなメリットがあります。
- 人脈が広がる
- 仕事の範囲・レベルが上がる
- 転職に有利
- 独立を目指しやすくなる
- 副業がしやすくなる
スキルアップやキャリアアップを考えている方には、魅力的な資格といえます。
サラリーマンが中小企業診断士資格を取得するメリット・デメリットについて、以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひご確認ください。
中小企業診断士試験の内容と難易度
中小企業診断士試験の合格を目指すにあたって、試験の内容と難易度を知っておくと、学習スケジュールを立てやすいでしょう。
一次試験では、経済学・経済政政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム 、中小企業経営・政策の7科目から出題されます。
過去5年間の全科目の平均合格率は約9.7〜23.1%です。
科目によって合格率に差がありますが、過去5年間の結果から以下のことがわかります。
- 平均合格率がもっとも低いのは「経営法務」
- 平均合格率がもっとも高いのは「経済学・経済政策」
二次試験では、筆記試験4科目(記述式)と、口述試験(10分程度の面接)があります。
過去5年間の平均合格率は約18〜19%と、比較的安定しています。
ただし、出題形式が記述式のため、暗記するだけでなく考えをまとめる能力も必要とされるため、簡単とは言い難いでしょう。
各科目の難易度や出題傾向などについて、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
中小企業診断士の試験内容は?科目別の難易度についても徹底比較!
経済学・経済政策の内容と難易度
経済学は、経済の仕組みや経済活動について理論的に説明し、それが正しいかをデータを使って説明する分野です。
経済政策は、経済に対しての政府が行う公共政策を学ぶことによって、経済の仕組みを理解していく分野です。
「経済」と聞いて苦手意識を持つ方も多いですが、内容を理解すると高得点につながりやすい科目でもあり、例年合格率20%代と安定しています。
試験範囲は「ミクロ経済」と「マクロ経済」に分かれています。
ミクロ経済学を先に理解しておくと、マクロ経済学の理解も深まるため、ミクロ経済学から勉強を始めるのがおすすめです。
経済学・経済政策の詳しい内容や勉強法については、以下の記事で詳しく解説しています。
【中小企業診断士】経済学・経済政策の試験範囲と効率的な勉強法を解説
企業経営理論の内容と難易度
企業経営理論は「経営戦略論」「組織論」「マーケティング論」の3つの分野で構成されています。
企業の経営資源の使い方や、企業を継続的に発展させていくための提案などに必要な知識を学ぶ科目です。
過去5年間の平均合格率は16.2%と、全科目のなかでは中間程度の難易度ですが、年度ごとの合格率にバラつきがあります。
そのため、難易度の高い問題にも対応できるよう対策しておくと安心です。
また、企業経営論は二次試験でもメインで問われる重要な科目のため、必ず押さえておきましょう。
勉強のコツは、他の一次試験科目よりも先に勉強を始めることです。
他の科目とも関連性が高く、最初に理解しておくことで効率よく勉強を進められます。
企業経営論の詳しい内容や勉強法については、以下の記事をご確認ください。
【中小企業診断士】企業経営理論の試験範囲と勉強法を徹底解説!
運営管理の内容と難易度
運用管理(オペレーション・マネジメント)は、「生産管理」「店舗・販売管理」の2つの分野で構成されています。
中小企業診断士として製造・販売に関わる助言や提案をするために必要な知識を学ぶ科目です。
過去の試験結果では年度ごとの合格率にバラつきがあり、低い年はわずか3.1%ですが、高い年だと25.8%の合格率です。
そのため、極端に難易度の高い年度もあることを踏まえた対策が必要です。
運用管理の内容は、一次試験科目の「企業経営論」に関係する部分があります。
全体的な部分を企業経営論で学び、そのうち生産や店舗管理についてを運用管理で深堀りしていくイメージです。
運営管理の詳しい内容や勉強法、頻出論点などは、以下の記事で解説しています。
経営情報システムの内容と難易度
企業の業務管理や経営などに必要な情報を集め、解析するシステムを「経営情報システム」といいます。
「情報通信技術に関する基礎知識」と「経営情報管理」の2分野で構成されている科目です。
合格率は「経営学・経営政策」に次いで2番目に高く、合格率20%を超える年度もあります。
ただし、令和3年度の試験では合格率10%代と低くなっているため、近年は難易度が上がってきているという見方もできます。
勉強法としては、基本的には暗記が中心で、過去問題集を効率的に使うのがポイントです。
経営情報システムの具体的な内容や勉強方法・勉強時間については、以下の記事をご確認ください。
中小企業診断士試験の経営情報システムは易しい?攻略法を徹底解説!
中小企業経営・政策の内容と難易度
中小企業経営・政策は「中小企業経営」と「中小企業政策」の2つの分野で構成されています。
名前のとおり、中小企業にフォーカスした科目です。
過去5年間の平均合格率は12.58%と低めですが、ポイントを押さえてしっかりと勉強すれば、高得点を狙える科目といえます。
中小企業経営では、試験問題の7〜9割が前年度の「中小企業・小規模企業白書」から出題される傾向にあります。
中小企業政策では、中小企業基本法と中小企業向けの各種施策から出題されます。
「中小企業施策ガイドブック」等を参考に学習しますが、かなりのボリュームのため、頻出論点を中心に覚えていくのがおすすめです。
中小企業経営・政策の詳しい内容や勉強法については、以下の記事をご確認ください。
中小企業診断士試験の中小企業経営・政策は難しい?攻略法を徹底解説!
中小企業診断士試験直前期・当日の過ごし方
試験対策として、直前期や当日の過ごし方も重要です。
膨大な時間と労力をかけて勉強するのですから、当日最高のパフォーマンスを発揮できるよう、しっかりと準備して試験に臨みましょう。
試験直前期(3日前から前日)のおすすめの過ごし方は、以下の4つです。
- 間違えた問題の理由を再確認
- 重要な論点のおさらい
- 体調の調整
- 試験当日の流れをイメージ
試験当日は、余裕を持って試験開始の3時間以上前に起床すると、落ち着いた状態で試験に臨めますよ。
中小企業診断士試験の直前期・当日の過ごし方については、以下の記事でまとめていますので、ぜひご確認ください。
中小企業診断士試験3日前から前日・当日の過ごし方!実力を発揮する準備
中小企業診断士資格の試験情報まとめ
この記事では、中小企業診断士の試験情報について、さまざまな内容をご紹介しました。
このページで触れている内容は、各情報のほんの一部にすぎません。
項目ごとに詳しい解説記事を用意していますので、ぜひご確認いただけますと幸いです。
早めに試験の傾向や対策を確認して、万全の状態で試験当日に臨みましょう!