中小企業診断士は受験科目がとても多い国家資格です。
受験生の中には、知らないだけで、すでに中小企業診断士に関連する資格を持っているという方も多いでしょう。
また、資格がない方は勉強をする中で「この知識でほかの資格も取れれば…」と考える方もいます。
最近では「ダブルライセンスって聞くけど実際どうなの…?」という声も聞きます。
実際に複数の資格を持ち、それぞれの資格の特徴をいかして活躍する方も増えています。
あなたもせっかく中小企業診断士になるために、膨大な範囲の勉強をするなら、
- 「少しでも今までの知識をいかしたい」
- 「受験勉強をほかのことにも役立てたい」
と思うのではないでしょうか。
自分の知識を生かせる場所はできるだけ多い方がうれしいですよね。
今回は、中小企業診断士を受験しようとしている方へ、関連する資格と、その資格を受験勉強や今後へどのように役立てるかについて紹介します。
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1次試験で受験科目が免除になる資格
中小企業診断士の1次試験は、条件を満たせば科目免除を受けられる制度があります。
その条件の一つは、「特定の資格を保有していること」です。
もしあなたがこれから紹介する資格をすでに持っていたり、これから取得しようとしていたりするのなら、この制度を使うべきです。
ここでは、その1次試験の科目が免除となる資格のうちの4つ、
「公認会計士」「税理士」「不動産鑑定士」「応用情報技術者」を紹介します。
それぞれ中小企業診断士のどの科目と対応しているかは、表の通りです。
保有資格 | 免除される科目 |
公認会計士 | 財務会計(経済学・経済政策) |
税理士 | 財務会計 |
不動産鑑定士 | 経済学・経済政策 |
応用情報技術者 | 経営情報システム |
関連がわかったところで、一つ一つの資格について紹介します。
公認会計士
公認会計士の主な仕事内容は「監査証明」です。
独占業務として監査をすることで、財務情報の信頼性を高く保つ役割を担っています。
この資格を保有している方は、中小企業診断士1次試験で「財務会計」が免除されます。さらに、公認会計士2次試験の選択科目を「経済学」で合格した人は「財務会計」に加え、「経済学・経済政策」も免除の対象になるため、これから受験を考えている方は要チェックです。
税理士
税理士は、クライアントの代理として確定申告をしたり、その申告書の作成をしたりします。
会計の深い知識が必要とされる資格のため、中小企業診断士1次試験では「財務会計」が免除となります。
また、より広い範囲のクライアントからの相談にも対応できるようになるため、中小企業診断士ととても相性がいい資格といわれています。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の経済価値を判定・評価します。
受験の時点で経済学を深く学ぶ必要があるため、この資格保有者は、中小企業診断士1次試験で「経済学・経済政策」が免除されます。
応用情報技術者
応用情報技術者に合格するためには、高度なIT知識やマネジメントの知識を身に着ける必要があります。
この資格を保有していれば、情報システム関連の知識に長けているとみなされ、中小企業診断士1次試験では「経営情報システム」が免除になります。
これらの資格をすでに持っている方は、ぜひ科目免除制度を使って、他科目の勉強だけに集中できるようにしましょう。
中小企業診断士資格に加えて、これから上記の資格取得を考えている方は、これらの資格を先に受験し、中小企業診断士の合格までぐっと近づいていきましょう。
試験勉強に役立つ資格・勉強途中で取得を目指せる資格
ここまでは、中小企業診断士1次試験の免除がある資格を紹介しました。
次は、科目免除はされないものの、保有していれば中小企業診断士試験で役立てられる7つの資格を紹介します。
逆に、以下の資格を持っていなくても、中小企業診断士試験の勉強をしながら、これらの資格を取得し、ダブルライセンスを目指すことも可能です。
まずは表で対応する科目をみていきましょう。
保有資格 | 関連する科目 |
簿記 | 財務会計 |
ビジネス会計検定 | 財務会計 |
ITパスポート | 経営情報システム |
ビジネス実務法務検定 | 経営法務 |
リテールマーケティング検定 | 運営管理 |
経済学検定(ERE) | 経済学・経営政策 |
経営学検定(マネジメント検定) | 企業経営理論 |
次に、それぞれの資格でどのレベルを持っていれば有利になるのかについて説明します。
簿記
簿記は財務諸表を作成する能力です。
中小企業診断士1次試験は、簿記2級レベルの知識があれば有利といえます。
2次試験は筆記形式のため、知識に加え、より考える力も問われます。
そのため、簿記1級レベルの知識があると他の受験生より、大きなリードをとることができるでしょう。
ビジネス会計検定
ビジネス会計は財務諸表を分析する能力です。
この検定は、2級レベルの能力を取得していれば、中小企業診断士1次試験の「財務会計」、2次試験の事例Ⅳに有利になります。
ITパスポート
ITパスポートは、応用情報技術者の基礎レベルの知識を問われる資格です。
応用情報技術者の説明でも紹介したように、その基礎レベルであるため、中小企業診断士1次試験「経営情報システム」の分野に強くなります。
さらにITパスポートの試験範囲は、中小企業診断士試験の範囲にほとんど含まれています。
ダブルライセンスを目指す方は、中小企業診断士の試験勉強で知識を身に着け、同時取得するのも効率的でしょう。
中小企業診断士とITパスポートの関係についてはこちらの記事で紹介しています。
中小企業診断士の合格にITパスポート資格は必要?勉強する意味は?
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は、あらゆる業種に適用する法律の知識についての検定です。
この資格の2級レベルの知識があれば「経営法務」の勉強は簡単に復習するくらいの時間で対応できます。
ただ、これから取得しようと考えている方については、中小企業診断士の勉強との並行は実用性・効率性を考えるとおすすめはできません。
リテールマーケティング検定
リテールマーケティングは、販売に必要な知識や技術、在庫管理などの専門的分野に特化した人材を育成するための資格です。
この資格の2級レベルは、中小企業診断士試験の運営管理の構成分野である「店舗・販売管理」の勉強に役立ちます。中小企業診断士1次試験の出題形式や内容ともよく似ているといわれています。
会社によっては、幹部・管理職への昇進条件として提示していることもあるため、将来的に取得を考える方が多い資格です。
経済学検定(ERE)
経済学検定は、経済学に関する数理的・理論的な知識のレベルを問う検定です。
ミクロ・マクロの範囲を網羅しており、A判定の知識を保有している方は、中小企業診断士試験の「経済学・経営政策」の勉強に有利といえます。
経営学検定(マネジメント検定)
経営学検定は、会社や組織の運営に関する基礎から専門的な知識について問う検定です。中級レベルで、中小企業診断士試験の「企業経営理論」に対応できる知識になります。
上級は記述式のため、中小企業診断士2次試験の練習にもなりますが、まずは中級レベルを目指して勉強する方が効率的で、知識の定着もいいでしょう。
ここまで、中小企業診断士に関連する資格を紹介しました。
持っていれば勉強の土台となり有利に働くものや、途中で資格取得を目指せるものもあります。
あなたがどこまでの資格を取得したいのか、目標はどこに設定するのかを明確にし、これからの勉強に役立てていきましょう。
ダブルライセンスでの相乗効果が高い資格
最後に、ダブルライセンスを目指す方も多いでしょう。
しかし、「中小企業診断士とどの資格を取得すればいいのか…」「どんな役立て方ができるのか」と悩む方もいます。
そこで、中小企業診断士との相性がよく、ダブルライセンスでの相乗効果が高い資格をいくつか紹介します。科目免除になる資格は除外して記載しています。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナーは、相談者の資金計画やライフプランの設計をサポートする役割を担います。さまざまな業界で活躍しますが、特に金融業界で重宝される資格です。
中小企業診断士とのダブルライセンスを持つと、個人にも企業にも対応する能力がつき、顧客の幅が大きく広がります。さらに、将来的に独立しようと考えている方にも、このダブルライセンスの組み合わせはおすすめです。
社会保険労務士(社労士)
社労士は、人材に関する専門家です。企業の採用から退職までを見守り、事業の発達と労働者の福祉向上を支える役割を担います。
中小企業診断士とのダブルライセンスを持つことで、経営だけや人事だけではなく、「経営的知識を兼ね備えた人事コンサルティング」をすることができ、同業者との差別化を図ることができます。
さらに、社労士の資格をもっていれば、中小企業診断士試験の「企業経営理論」の勉強でも役立つでしょう。
行政書士
行政書士は、書類作成や申請の代行が主な仕事内容であるため、中小企業診断士とは専門分野が重複していません。
その分、ダブルライセンスをもつことで片方の資格だけではできないことまで対応できます。それは、あなた一人でクライアントからの依頼を完結させられるため、企業からも重宝される存在となりやすく、あなたへの信頼も大きくなります。
そのため、活躍の場を広げ、将来的なキャリアアップをすることを考えると、この組み合わせはとても役に立つといえるでしょう。
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まとめ
- 1次試験科目が免除になる資格は、受験前にとる
- 持っている資格と関連する受験科目を把握する
- 複数の資格同士の相乗効果について知る
今回は、中小企業診断士と関連をもつ資格を紹介しました。
これらの資格を持っていればいるだけいいということではありません。
まずは、今のあなたの保有資格と照らし合わせて、目標を考えてみてください。
「どの道をたどればあなたの目標達成に近づけるのか」
今回の紹介をその道しるべにしてこれからの勉強に役立てていきましょう。
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