会社経営や、商品やサービスを提供するなかで「どうすれば売上を伸ばせるのか?」という疑問は経営者でも営業マンでも日ごろ頭を悩ませる永遠のテーマではないでしょうか。
そういった悩みを持った時、「とりあえずがんばろう!」、「一人一人の意識から変えていこう!」など漠然とした目標を掲げてしまってはいませんか?
しかし、残念ながら気合だけでは売上を継続的に、そして論理的に伸ばしていくことはできません。
論理的に売上を伸ばせないと、いざ売上が落ちてしまった時伸ばす術がわかっていないため、経営はすぐ傾いてしまうでしょう。
本記事では、「売上を論理的に伸ばしていく術」としてロジックツリーを用いた思考法を紹介します。
売上を伸ばすための5つのポイントも細かく解説していきますので、売上を上げたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
ロジックツリーとは
ロジックツリーとは問題を解決するためのフレームワークの一種で、1つの物事を枝分かれさせるように分解していくことで、問題の原因や解決策を網羅的に見つけ出しやすくすることができるものです。
「売上を伸ばそう!」「とりあえず頑張ろう!」などの漠然とした目標では売上向上は難しく、問題を解決していくためには、その間のプロセスを理解していくことが大事になります。
ロジックツリーは、課題の改善策や原因を論理的に探すことができるため、具体的な目標を立てやすくなるのです。
ロジックツリーのメリット
ロジックツリーを作成するメリットは4つあります。
- 問題の可視化
- 問題の原因の特定
- 問題解決の計画が立てやすくなる
- アクションの優先順位を決めやすい
問題の可視化
ロジックツリーを作成することによって、問題を発見しやすくなり、その問題の解決策を見つけることもできます。
問題の原因の特定
問題の可視化により、要素分解や因数分解などの分析を通して、問題に対する原因特定が容易になります。
問題解決の計画が立てやすくなる
問題に対する原因を特定できれば、そこで出た課題を中心に新たなロジックツリーを作成し、要素を分解することで、より具体的な解決策を書き出しやすくなります。
アクションの優先順位を決めやすい
複数の解決策が出た場合でも、解決策それぞれの費用対効果を比較しやすいため問題解決策の優先順位特定しやすくなります。
ロジックツリーの種類
ロジックツリーの種類は4つあります。
- Whatツリー:要素分解ツリー
- Whyツリー:原因追及ツリー
- Howツリー:問題解決ツリー
- KPIツリー
Whatツリー:要素分解ツリー
ある物事の要素を分解して、網羅的に把握していくロジックツリーです。
複数の要素が絡まり合って複雑になっているものを、シンプルな要素に分解していく際に活用します。
Whyツリー:原因追及ツリー
ある問題対して原因を並べて、根本原因を把握していくロジックツリーです。
問題が発生した際に、本当の原因は何か、他に原因はないかなどを明らかにするために用いられます。
Howツリー:問題解決ツリー
解決したい問題に対しての改善策を見つけるためのロジックツリーです。
Whyツリーと似ていますが、Howツリーの方がより今後のアクションに直結する活用方法です。
KPIツリー
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、KGI(Key Goal Indicator/経営目標達成指標)を達成するための中間目標として使用されている重要業績評価指標のことを指します。
Howツリーの派生として、KPIツリーが使用されることも多く、各要素に数値が関係していることが特徴です。
ロジックツリーの作り方
ロジックツリーを作成し、活用していくためには3つのポイントが大切です。
- MECEであること
- 問題の定義を明確にすること
- 仮説思考で要素分解をすること
MECEであること
MECEとは「Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)」の頭文字を取った造語です。
ロジックツリーを作成する際は、MECEが非常に重要になります。
なぜなら、書きだした要素に重複があると、要素が増えすぎて本質がわかなくなるからです。
また、抜け漏れがある場合、浮かび上がった解決策が根本的解決につながらない可能性があります。
問題の定義を明確にすること
ロジックツリーを作成するときに、問題の定義が明確でない場合全体が崩れてしまいます。
なぜならロジックツリーはその名の通り、「ロジカルシンキング」をベースに作成するフレームワークだからです。
仮説思考で要素分解をすること
要素を分解する際には、仮設を立てることで新たな切り口を発見しやすくなります。
どこまでロジックツリーを作成すればいいか迷った際は、要素が具体的な行動につながるまで分解を続けることがポイントです。
営業活動におけるロジックツリーを作成するには
売上を構成する要素は、「客数」「客単価」「購入頻度」の3つです。
これは売上=客数×客単価×購入頻度という計算式から理解できます。
つまり、売上を上げるには「客数」「客単価」「購入頻度」数字を上げればいいのです。
さらに分解を進めると、以下の計算式が成り立つことが分かります。
- 客数=既存客+新規客-流出客
- 客単価=客数×商品
- 購入頻度
つまりこの計算式から、売上を上げるための変数は5つあることが読み取れます。
それぞれの変数について、以下の方向で取り組みを進めることで売上の向上を実現できます。
- 新規顧客を増やす…新規顧客の獲得は「顧客全体数×成約率」で決まります。売上を上げるためにはこの二つのうち成績が悪い変数を改善していくことがより効果的になります。
- 顧客の離脱を防ぐ…新規顧客獲得に比べて、既存顧客の維持はコストがかかりにくいです。そのため既存顧客の維持は利益を上げていくために重要なこととなります。
- 商品単価を上げる…商品単価増加はそのまま売上の増加になります。ただ、価値が薄いものの単価を上げるだけでは顧客離れが起きてしまうため注意が必要です。
- 商品数を増やす…商品単価が同じでも点数が二倍になれば売上も増加します。既にある商品の質を上げていくような付属品を開発したりするのも一つの手です。
- 購入頻度を増やす…購入頻度を増やしていくためには、既に持っている商品を何回も買ってもらうためにはどうすればいいかということが大切になっていきます。
売上向上を目標にしたとき、「売上を上げよう!」という指示だけではなにをどうすればいいか理解されづらいですが、「新規顧客を増やしていこう!」「商品数を増やそう!」など具体的な目標があれば改善策も見つけやすくなるでしょう。
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まとめ
ここまででロジックツリーについてと、ロジックツリーを使用した売上向上のための思考法について紹介しました。
ロジックツリーとは…ロジックツリーとは問題を解決するためのフレームワークの一種で、ある1つの物事に対して枝を分かれさせるように要素を分解していき、問題の原因や解決策を網羅的に見つけ出しやすくすることができるものです。
ぜひ本記事を参考にしてロジックツリーを利用して売上を伸ばしていきましょう。
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