大企業で働いている人に多い悩みには、以下のようなものがあります。また、以下のような話を聞いて、大企業への就職を選択すべきかどうか悩んでいる人もいるでしょう。
- 成長している実感がない
- ぬるま湯につかっているようで、外に出たとき通用するか心配
- 転職をしようにも、営業もマネジメントもしたことがないから何をアピールしたらいいかわからない
この記事では、そんな悩みに向けて、大企業ではスキルを身につけられるのか?また、望むスキルを身につけるにはどうしたらいいのか?を解説します。
現在は二極化の時代といわれ、スキルが無いと会社に残ることも転職をすることも難しいです。
一方でスキルを磨き続けられる人は、いつまでも市場から評価されるため、仕事での評価や満足度、また収入面でも困ることはないでしょう。
本記事を参考にして、大企業にいながらにしてスキルを磨く方法や大企業から外に出る、選択すべきでない判断ができるようになるでしょう。
そもそも、なぜスキルが無いといけないのか
そもそも、なぜスキルが必要とされるのでしょうか?
結論からいえば、収入を得ることが難しくなるからですが、なぜ収入を得ることが難しくなるかといえば、以下の理由があげられます。
- アピールできるスキルが無いので、転職が困難
- 誰でもできる仕事をすることになるので、賃金が安い
- 自分に自信が持てないので、活躍しづらい
このように、社会人として働くうえでスキルを身に付けておくことで、仕事を進めやすく難易度を下げることに繋がります。
大企業ではスキルがつかないのか
大企業でスキルがつくのかどうかについては、イエスでもありノーでもあります。
大企業で身につけにくいスキルがあることは事実ですが、逆に大企業だからこそ身につけやすいスキルもあるからです。
また人の姿勢次第で身につけられるスキルもあれば、その逆もあります。
詳しく、以下に次の4つを解説します。
- 大企業で身につけやすいスキル
- 大企業で身につけにくいスキル
- 大企業でスキルを身につけられる人
- 大企業でスキルを身につけられない人
大企業で身につけやすいスキル
ここでは大きく5つを挙げます。
- 計画力
- 調整力
- 俯瞰力
- 資料作成力
- マナー
計画力
大企業では、一部でも計画の遅れがあると、関連部署が多いこともあって大きな影響が出るため、実現できる計画を丁寧に立て、自分の役割を遂行する意識が求められます。
結果的に、遅れや失敗のないよう計画を精度よくたてる力がつきます。
調整力
大企業では、多くの部署や担当者と関わりながら業務を進める機会が多いので、部署を超えて相手の立場の視点で物事を見られるようになります。
部署を超えて関わるということは、利害対立や視点の違い、価値観の違いなどによる意見の不一致が起きやすく、そのたびに調整や合意を形成しなくてはなりません。
1つひとつ利害調整や合意形成をとる経験を積み重ねることで、様々な立場の人とうまく協力できるように調整力がつくでしょう。
俯瞰力
中小企業では、主に自分の担当業務に関連する立場の人たちを束ねることが多いのに対して、大企業では、自分の専門外の業務を行っている人たちを束ねることが多いため、部署を超えた広い視野が求められます。
こうした部署部門を超えたマネジメント経験をすることで身につくスキルが、全体を見渡す俯瞰力です。
新卒入社してすぐは難しいですが、立場的に若いうちからまとめることが仕事になる場合にもありますので、大企業の方が身に付けやすいスキルとなるでしょう。
資料作成力
大企業では社内承認を得るためなど、事あるごとに資料作成をする機会が多いです。また、組織が大きければ承認者の人数も多く、一つの資料に対してさまざまな角度からの意見をもらえます。
頻繁に数をこなすことで、自然と資料作成力が身につきます。
マナー
大企業は中小企業と比べると、教育制度がしっかりしている傾向にあるため、仕事外で社会人としての基礎力を体系的に教えてもらえます。
特に、対人マナーについては、どの社員も大企業の看板を背負うことになるため、どこに出しても恥ずかしくないようにと、徹底的に指導されるでしょう。
大企業で身につけにくいスキル
大企業で身につけにくいスキルとして、ここでは大きく3つを挙げます。
- 自主行動力
- マルチタスク遂行力
- 提案力
自主行動力
大企業では、多くの場合作り込まれたマニュアル(作業手順書)があるため裁量権に乏しく、主体的な体験を得にくいです。
また、新人の頃は言われたことをしっかりこなすことを重視されますが、そんな初期教育を大切にしすぎて、いつのまにか受動的に仕事をすることが当たり前になってしまいがちです。自主的な行動がなかなかできなくなってしまう可能性があります。
マルチタスク遂行力
職種や立場にもよりますが全体の傾向として、大企業では細かく分業することが基本なので、行う仕事の範囲は決して広くありません。
特に、平社員の場合は範囲がかなり限定された業務に従事することになります。
中小企業のようにあれもこれもという仕事になりにくいので、マルチタスク能力が高まりにくい傾向にあります。
提案力
あらゆる仕組みの完成度が高い大企業では、改善の必要性を感じにくいことが多いです。
そのためあまり提案をするような風潮がなかったり、提案をしても通ることが稀だったりして、どうしても提案をする機会が少なくなります。
近年は、大企業でも変革が必要と考える場合が増えており、改善が強化されている企業も増えてきています。
大企業でスキルを身につけやすい人
自分から仕事をみつけたり、自主的に目標を設定して動ける人は、大企業でもスキルを身につけやすいです。
どんどん新しい経験をしていき、チャンスをものにしていけるからです。
結果的に、大企業では本来身につけにくい仕事、例えばマルチタスクまでこなせるようになり、仕事の幅が広がっていきます。
スキルを身に付けたことが評価されて新しい経験やチャンスが舞い込み、他の人よりも速くスキルアップできるでしょう。
大企業でスキルを身につけにくい人
大企業では、しっかり目標をもたない人は、スキルを身につけにくいです。
実は大企業では、ルーチンワークをこなすだけでも問題なく給料がもらえますので、意識して新しいことにチャレンジするなど、能動的な姿勢が無いと日々の業務に流されてしまいます。
毎日同じ仕事をしていれば、その仕事に関する専門スキルは身についていきますが、他のスキルを身につけることは困難です。
望むスキルを手に入れる3つの方法
望むスキルを手に入れる方法として、以下の3つを紹介します。
- スキル関連の仕事を増やす
- スキルをつけるための勉強をする
- 転職を行う
前提として、自分は将来どうなりたいのかを明確にして、必要と思われるスキルを洗い出しておきましょう。
スキル関連の仕事を増やす
今従事している仕事の中で、将来も使えそうなスキルを見極め、身に付けていけるような工夫をしましょう。
例えば、将来コミュニケーションスキルが必要で、商談からそのスキルを学べそうならば、他の業務の時間短縮を図りつつ商談の時間を増やす努力をしていきます。
自分の担当業務だけでは望むスキルを学べそうにない場合は、上司に申し出たり、部署移動のチャンスを逃さないようにしたりして、環境を変えるべく動きましょう。
スキルを学べる環境をつくるためには、普段から評価される仕事をして、上司や先輩から信頼されておくことも大切です。
スキルが身につく勉強をする
会社の仕事だけでは習得できず、資格をとりにいったり、社内外の研修やセミナーを利用することで学べるスキルがあります。
特に今は、オンラインで安価に学べる講座が充実しているので試してみる価値はあるでしょう。
また、大企業ならではの研修制度や社内ベンチャー制度を利用すること。副業にチャレンジすることで、普段の業務では得られない経験ができます(社内規定に違反していないかどうか確認しておく必要があります)。
特に社内ベンチャーや副業で得られるスキルは、大企業では学びにくく、中小企業でこそ学べるようなものが多いので貴重です。
転職を行う
どうしても今の環境では、望むスキルを手に入れられそうにない場合、転職が選択肢となります。
大企業で得られないスキルは中小企業で得られることが多いので、中小企業へ転職することで望むスキルを得られる可能性があります。
ただ、逆に大企業で得やすいスキルは、中小企業では得にくい側面があるので、本当に今の環境で学ぶことは無いのかをしっかり見極めてから転職しましょう。
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まとめ
- 終身雇用制が崩れた現在では、スキルが無ければ会社に所属することも、転職することも難しくなる
- 大企業だからこそ得やすいスキルと、大企業にいては得にくいスキルがある
- また、大企業でスキルを身につけやすい人と、身につけにくい人がいる
- スキルを得たいならば、身につけられる特性や姿勢を自身が持つことが必要
- スキルに関連する仕事を増やすこと、勉強すること、転職することがスキル習得に繋がる
なお、大企業、中小企業という枠組みで整理をしましたが、すべての企業がこの例に当てはまるわけではありません。
結論として、自分がいる環境、目指す環境はどのような状態なのか個別に判断し、狙いのスキルを身に付けにくい状況であるならば、自分の行動か環境を変えることが必要、というのが今回伝えたいことです。
まずは自分が将来どうなりたいのかを具体的に定め、逆算して身につけたいスキルを明確にすることから始めましょう。
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