中小企業診断士と社労士のダブルライセンスが強い4つの理由を徹底解説

中小企業診断士の関連資格

社会保険労務士(以下、社労士)を目指している方の中には、次のような方がいるのではないでしょうか?

  • 中小企業診断士、社労士の資格は難易度が高いと聞いたことがあるけど、2つの資格を取得してどのようなメリットがあるのか知りたい方
  • これから中小企業診断士の取得を目指すなかで、関連する資格として社労士の資格取得を考えている方

社労士は、中小企業診断士で必要となる知識と関連があり、特定の業界で働いている方の中では実務にも役に立つ資格です。

そこで今回は、中小企業診断士と社労士の関係性や、両方取得することのメリットについて解説します。

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中小企業診断士と社労士のダブルライセンスが強い4つの理由

社労士の解説をする前に中小企業診断士と社労士のダブルライセンスが強い理由を紹介していきます。

  • 中小企業診断士と社労士の両資格は、以下のような特徴を持った難関国家試験です。
  • 顧客からの信頼度が大幅に上がる
  • 中小企業診断士としての仕事の幅が大幅に広がる
  • 「人」「物」「金」という事業の根幹を1人でコンサルティングできるようになる

それぞれ解説します。

中小企業診断士と社労士の両資格は、難関試験。

中小企業診断士と社労士の試験は、どちらも難関国家資格で合格率は1桁代(6~8%程度)です。

そのため、中小企業診断士のダブルライセンスとして社労士を取得している人は、中小企業診断士資格保有者全体の約6%と少なくなっており、中小企業診断士が社労士の資格を取得するだけで大きな差別化となります。

顧客からの信頼度が大幅に上がる

前項と少しかぶりますが、難関試験のダブルライセンスで、顧客に優秀な人材だと認識してもらえます。

中小企業診断士と社労士の業務を一手に引き受けることができるようになり、クライアントにとって安心できる同一の物に両業務を任せることができるため、より一層クライアントからの信頼・信用を得ることができます。

中小企業診断士としての仕事の幅が大幅に広がる。

社労士を取得することにより、独占業務(1号、2号業務)が可能となります。

社労士の業務には、それぞれの業務内容に応じて「1号業務」「2号業務」「3号業務」という3つの言い方をされます。

1号業務は保険書類の作成など、2号業務は、帳簿の作成、3号業務は労働関係の相談や指導という内容になっておりその中の「1号業務」と「2号業務」は、社労士だけが実施できる独占業務となっています。

また、中小企業診断士が社労士の資格を取得することにより様々な仕事が可能となります。

  • 保険や人事に関わる仕事が可能となる。
  • 社労士の学校や通信講座の講師になれる
  • 公的機関の業務を手伝える
  • 独立しやすくなる

このように、仕事の幅が広がると活躍の場が多くなるだけではなく、周囲の評価も高い物になっていきます。

評価が上がるとモチベーションも高くなりますよね。

「人」「物」「金」という事業の根幹を1人でコンサルティングできるようになる。

中小企業診断士は「物」「金」を主な業務とし、社労士は「人」に関することを主な業務としています。

そのため、事業の根幹ともいえる「人」「物」「金」を1人でコンサルティングできるようになり、中小企業診断士が社労士と協力しなくてはいけない業務を一人で行えるので引き継ぎミスなどをなくすことができます。

また、中小企業診断士としての視点だけではなく、社労士の視点でもコンサルティングできるようになり、勤務形態や労働基準法といった社労士ならではの視点で提案できるようになります。

社会保険労務士(社労士)とは?

社労士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。

企業の成長には、お金、モノ、人材が必要とされていますが、社労士はその中でも人材に関する専門家であり、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的として、業務を行います。

社労士は、企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲にわたります。

社労士だけが行える独占業務とは?

上記の通り、「1号業務」「2号業務」が社労士だけができる独占業務となっており、それぞれ業務内容が違いますが「人」に関わる業務です。

社労士1号業務とは?

1号業務は、行政機関に提出する労働社会保険諸法令に基づく申請書、届出書、報告書などを作成することや代行すること、及び労使間の紛争の代理人や行政機関に対する主張の代理人になることです。

分かりやすくいうと、行政機関に提出する書類の作成や当事者の代理人業務をします。

社労士2号業務とは?

2号業務は、労働社会保険関係法令に基づく帳簿書類を作成します。

企業は、法律に基づいて「就業規則」「労働者名簿」「資金台帳」の3つの帳簿を作成しなければいけなく、この帳簿作成は専門的な知識が必要であり、専門的な知識を持った社労士がより制度の高い帳簿を作成することができます。

社労士3号業務とは?

3号業務は、労務管理や社会保険に関する相談に応じ、指導をすることです。

簡単にいうと、労働関係に関するコンサルティングをするということになります。

豊富な知識で、労務管理や人事評価に関する相談を受けて経験を積むことにより、顧客に満足してもらえるコンサルティングができるようになるだけではなく、業務の効率化を図り企業を発展させるには社労士の存在が不可欠といえます。

社労士試験の難易度は?

社労士試験の難易度は高く合格率は1桁(例年約6%)といわれています。

中小企業診断士試験と難易度は同等と言っていいでしょう。

社労士試験を受けるには受験資格が必要

社労士の資格を取得するには3つの条件の中で1つをクリアする必要があります。

その条件は下記の通りです。

  • 学歴
  • 実務経験
  • 厚生労働大臣が認めた国家試験に合格

それでは解説します。

学歴に関する受験資格

社労士の受験をするために必要な学歴要件の一部を紹介します。

大学・短大・高専等卒業していることや、大学(短期大学を除く)における習得単位数が一般教養科目36単位以上を習得し、かつ、専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者とあります。

高校卒業では社労士の受験はできませんので他の要件をクリアする必要があります。

勤務経験に関する受験資格

社労士の受験をするために必要な勤務経験要件の一部を紹介します。

社労士の元で従業員として労働社会保険法令の実施事務に従事している期間が3年以上や、国や地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間が3年以上になる者となっています。

3年間は、社労士試験の勉強をしながら実務に取り組むことで勉強内容を実際に体験できます。

試験に向けて必要な知識を効率的に身に付けられますが、3年という期間が長いと感じることもあるでしょう。

厚生労働大臣が認めた国家試験に合格していること

社労士の受験をするために必要な国家資格要件について紹介します。

大きく分けると3つあります。

  • 社労士試験以外の国家試験の合格(中小企業診断士など)
  • 司法試験予備試験等の合格
  • 行政書士試験の合格

この要件は中小企業診断士を持っている(受験予定)人であれば問題ないと思います。

中小企業診断士と社労士のダブルライセンスのメリット

中小企業診断士と社労士のダブルライセンスのメリットには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

それぞれの専門性がコンサル業務の強化に

中小企業診断士と社労士は、「企業支援」という目的に対して、それぞれ異なる専門性からアプローチする専門家同士です。

実際に企業支援に携わる上で、社労士も会社の経営状態を把握していた方がいいですし、一方で中小企業診断士であっても従業員や労務管理体制について考えることができれば役に立つこともあるでしょう。

つまり、企業支援をする上では、社労士と中小企業診断士のどちらを本業にしても、もう一方の資格の知識が必ず活かされます。

独立開業できる

社労士は「勤務社労士」と「開業社労士」に分けられ、社労士の多数が「開業社労士」となっています。

中小企業診断士が社労士の資格を取得した場合には、中小企業診断士と社労士のダブルライセンスの強みを十分に活かしたコンサルティングが可能です。

また、開業をすると成果を上げた分だけ収入の増加も期待でき、業績の成長に比例して自分の収入も増加します。

また、無理に仕事を詰めこまずに自分に合わせたワークライフバランスを実現しやすいのも魅力となっています。

顧客に価値の高いサービスを提供できる

企業経営に関わるコンサルティングをメインとする中小企業診断士と、労務関連のコンサルを請け負える社労士は、両方を取得しておくことでより幅広い角度からのアドバイスが可能になります。

異なる専門性を総合的に活かすことで、コンサルティング業務においては理想的な相乗効果が生まれます。

社労士の資格は有効期限がない

社労士の資格には有効期限がありません。

そのため、社労士の資格を取得しても資格更新の管理をする必要がありません。

中小企業診断士と社労士のダブルライセンスのデメリット

中小企業診断士と社労士の両方の資格を取ることには、デメリットもあります。

受験料がかかる

資格を取得するには、お金がかかるものです。

勉強するのに必要な教材や受験料などは、人によって変わりますが、受験料は共通して発生してしまいます。

詳細は以下の通り

中小企業診断士試験

1次試験:13.000円(税込み)

2次試験:17.200円(税込み)

社労士

15.000円(税込み)

※振り込み手数料として203円(税込み)が別途発生します。

中小企業診断士と社労士のどちらも受験すると「45.403円(税込み)」となります。

これを「高い」と考えるか、「安い」と考えるかは、人それぞれですが、今後の活躍の場や仕事の幅の広がりなどを考えるとかなり安い自己投資になると考えられます。

試験の難易度が高い

前項の「社労士とは?」でも解説しましたが、社労士の試験の難易度は高いです。

社労士試験の難易度は高く合格率は1桁(例年約6%)といわれています。

中小企業診断士試験と難易度は同等レベルです。

デメリットについて解説しましたが

  • 受験料がかかる
  • 試験の難易度が高い

以上2点のデメリットに対して、メリットの方が大きい場合には社労士の資格を取得する価値が高いと考えられます。

中小企業診断士試験おすすめの通信講座

中小企業診断士のおすすめ通信講座を紹介します。低価格帯でコストパフォーマンスに優れたものがおすすめで、高価格帯の講座は含まれていません。

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まとめ

社労士は、業務の根幹である「人」「物」「金」の中でも「人」の部分に関するプロであり、中小企業診断士とのダブルライセンスになることによって業務の根幹を一手に担うことができるので、他の中小企業診断士との差別化を図ることがきるので本当におすすめです。

また、開業や講習ができるようになるなど、仕事のはばが広がって自分の得意を活かせる場面が増えるのはとても魅力的ですよね。

この記事を読んで中小企業診断士と社労士のダブルライセンスを取得してくれる人が増えると嬉しいです。

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