中小企業診断士試験の中小企業経営・政策は難しい?攻略法を徹底解説!

中小企業診断士資格の試験情報

中小企業診断士試験を目指して中小企業経営・政策の勉強を始める受験生の中には、このような悩みがあるのではないでしょうか。

  • 中小企業経営・政策の具体的な内容は?
  • 中小企業経営・政策って難しいの?
  • 中小企業経営・政策の試験範囲は?
  • 中小企業経営・政策の効率的な勉強法は?

一般的に中小企業経営・政策は暗記科目であり、中小企業白書の内容と頻出論点を抑えれば高得点を得られる可能性が高いです。

この記事を読めば、中小企業経営・政策の概要から具体的な勉強方法を把握できるため、ぜひ参考にしてください。

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中小企業診断士の中小企業経営・政策の試験概要

中小企業診断士試験の一次試験のラストを飾る科目、中小企業経営・政策。中小企業にフォーカスした科目です。

大きくは中小企業経営と中小企業政策の2つの分野にわかれています。

中小企業経営の試験範囲は?

中小企業経営の試験範囲となる主な論点は、下記の7点です。

  • 経済・産業における中小企業の役割、位置づけ
  • 中小企業の経営特性や中小企業の経営課題
  • 業種別事業所数の推移
  • 中小企業と大企業の比較(労働生産性、売上高、経常利益等の推移)
  • 企業規模別の従業者数推移
  • IT導入状況
  • 小規模企業の企業数、従業者数推移

試験問題の7割~9割が前年度の中小企業・小規模企業白書から出題されるといわれており、確実に内容を把握しておく必要があります。

中小企業政策の試験範囲は?

中小企業政策の試験範囲は、中小企業基本法・中小企業向けの各種施策や法律で

主な論点は下記7点です。

  • 中小企業基本法(基本理念・基本方針)
  • 中小企業、小規模企業の定義
  • 経営革新計画
  • 下請対策関連施策
  • 有限責任事業組合
  • 事業承継関連施策(経営承継法)
  • 小規模企業施策(マル経融資制度、小規模企業共済制度)

特に「中小企業と小規模企業の定義」や、「中小企業基本法の基本理念・基本方針」は毎年のように出題される頻出論点なので確実に点を取れるようにしておきましょう。

中小企業経営・政策と他科目との関係

一次試験は7科目あり、その中でも特に中小企業経営・政策は、中小企業診断士にとって一番身近な科目です。

中小企業診断士になると補助金などの申請をすることもあり、暗記した知識が役に立つと実感できます。

中小企業経営・政策は一次試験のみで二次試験には出題されませんが、中小企業白書の「事例」の部分の内容を理解することで、中小企業経営者の背景や思いを理解できるかが重要となる二次試験への対策ができます。

中小企業経営・政策の試験時間・配点は?

中小企業経営・政策は一次試験の2日目の3科目目(最後の科目)に実施されます。

問題数は42問で1問あたりの配点は他の科目と比べて2〜3点と低めです。試験時間は90分、択一マークシート形式となっています。

中小企業診断士試験の中小企業経営・政策の難易度

中小企業診断士一次試験の過去5年の合格率とその平均を表にまとめました。単位は%です。

科目名/年度 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 平均
経済学・経済政策 23.4 26.4 25.8 23.5 21 24.02
財務・会計 25.7 7.3 16.3 10.8 22.3 16.48
企業経営理論 9 7.1 10.8 19.4 34.7 16.2
運営管理 3.1 25.8 22.8 9.4 18.4 15.9
経営法務 8.4 5.1 10.1 12 12.8 9.68
経営情報システム 26.6 22.9 26.6 28.1 10.6 22.96
中小企業経営・政策 10.9 23 5.6 16.4 7 12.58

【参考】中小企業診断協会 中小企業診断士試験 過去の試験結果・統計資料の資料参考
https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/001_shiken_kakokekka.html

平成29年度以降の科目別合格率のデータを比較してみると、最も合格率が高い経済学・経済政策の平均が24.02%に対し、中小企業経営・政策は12.58%で最も低くなっているため、最近は難化傾向している科目といえます。

中小企業経営・政策は、範囲が膨大であり、さらに中小企業経営に関してはトレンドが毎年変化していくため、受験生が苦戦する科目ではありますが、確実に押さえるべきポイントの対策をすれば点が取りやすい科目です。

中小企業経営・政策のおすすめ勉強方法は?

中小企業経営・政策の勉強は、通信講座などの外部講座を活用して、頻出論点+最新の内容を効率よく勉強するのが望ましいです。

基本的に暗記する問題が多いため、早い時期に勉強をし始め、忘れてしまっては元も子もありません。

先に他の理解重視の科目の学習に取りかかって、試験が近くなってから、具体的には中小企業診断士試験直前の2〜3ヶ月前から勉強開始するのがおすすめです。

中小企業経営を攻略するために

多くの問題は前年度の中小企業白書・小規模白書の内容から出題されます。

中小企業白書は毎年刊行され、年度ごとにテーマが異なるため、過去問題集を使って勉強しても効果が薄いです。

また、とてもボリュームが大きく、数多くの統計が含まれています。

一度中小企業白書の概要に目を通し、全体のストーリーを大まかに押さえます。

その上で、ストーリーにそって重要な統計を学習すると覚えやすくなるでしょう。

テキストを一度通読してから、問題集を3セット程度取り組み、途中でポイントを絞ってテキストを再度読み込みます。

例えば毎年頻出のポイントである以下の統計が時系列や業種別でどのように変化しているのかなどを把握することが重要です。

  • 「企業数、事業所数の推移や大企業との比較」
  • 「従業者数、付加価値額の推移や大企業との比較」
  • 「開廃業率の推移や、開業率と廃業率の大小」
  • 「製造業・小売業・卸売業の業種別統計」

中小企業政策を攻略するために

中小企業政策では、各種の中小企業施策から出題されます。

「中小企業施策ガイドブック」等に記載されていますが、かなりのボリュームがあるため、過去問題集でよく出題されている施策を中心に学習するのがポイントです。

例えば、以下は頻出論点です。

  • 「中小企業の定義」
  • 「中小企業基本法の基本理念・方針」
  • 「小規模基本法の方針・計画」
  • 「中小企業等経営強化法」
  • 「中小ものづくり高度化法」
  • 「下請法」
  • 「3つの共済制度(退職金共済・倒産防止共済・小規模企業共済)」

各政策については、支援の内容、支援を受けるための要件や制約、実施主体などを整理して覚える必要があります。

注意点として、中小企業政策は施策の新設や、廃止、内容の変更などが頻繁に行われているため、毎年変更が入ります。

必ず「現時点」の政策を確認しましょう。

重要事項を中心に集中的に学習すれば、短期間で十分合格点に到達することが可能です。

暗記が苦手な場合の中小企業経営・政策の方法

中小企業経営・政策は暗記要素が多くなっていますが、丸暗記というよりは全体のストーリーを大まかに押さえた上で、重要ポイントを覚えていく必要があります。

例えば、重要ポイントを自分なりにノートにまとめる時に、関連事項や流れを矢印で示したり、共通点などでグループ分けしたりと図表を使ってまとめると視覚的に覚えやすくなります。

さらに声に出して読むことを何度も繰り返すことで記憶が定着しやすくなるので、暗記に苦手意識を感じている受験生には「図表でまとめる」「声に出して読む」ことがおすすめです。

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まとめ

中小企業経営・政策は暗記科目であり、頻出論点はある程度固定化しています。

中小企業経営・政策の難易度はやや難しいですが、しっかり対策出来れば高得点を得られる科目です。

合格点である60点以上を効率よく獲得するために、中小企業経営は中小企業白書の概要に目を通し、ストーリーを把握してから重要な統計を押さえ、中小企業政策は過去問を活用して頻出論点を把握し、「現時点」の政策をしっかり確認しましょう。

全体のストーリーを押さえた上で、図表を活用した自分なりのまとめノートを作り、声に出して読むなど視覚と聴覚に刺激を与えながら重要ポイントをしっかり記憶することが勉強のコツです。

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